床下からの配線

床下には未知の配線スペースがある

1Fの部屋に埋め込み配線しようと考えた時、1Fの天井裏から電線・ケーブルを目的の壁の中へ通すことができれば何も問題はないのですが、断熱材に阻まれたり、腰高の窓があって物理的に上からは配線できない、なんていうケースがしばしばあります。

「リビングのテレビコンセントがその位置にあるから、可能なら同じ位置にLANコンセントを設置したい」

配管があれば別ですが、配管がなくても床下からの配線ができるかもしれません。床下を覗いてみて検討してみましょう。

床下からの配線を実現するためには以下のような条件があります。

  • 床下点検口(床下収納)が設置されているか、和室の畳を持ち上げることで床下に入ることができる。
  • 匍匐前進(ほふくぜんしん)で床下を移動できるぐらいの高さがある。

床下に入れるようならば、様子を確認する意味でも一度は潜ってみると面白いです。ただし服がホコリだらけになるので作業服等汚れてもいい服を着て、軍手・マスク・帽子着用、懐中電灯などの照明を持って挑みましょう。匍匐前進をするので肘にかなり負荷が掛かります。肘あて(子供用の膝あてなんかも使えます)を用意すると楽です。

一般的な床下の様子
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一般的な住宅の床下の様子です。

ベタ基礎という、モルタルを床一面に流し込む工法の床下です。天井部分(1F床の裏側)には隙間なく断熱材が貼られていて、断熱性と気密性が高められています。

床下断熱材
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断熱材は画像のような金具を使って固定されています。これ以外にもいろいろな材質、方法で断熱されていて、断熱材の固定方法もさまざまです。

既存の床下配線
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既に床下から壁の中に配線されている電源ケーブル(VVFケーブル)の様子です。

こういった配線がされていると、どの辺からどのくらいの角度で穴あけすればよいか参考になります。

(位置や角度は建物によってさまざまになるので、すべての建物でこの様に開ければ良い訳ではありません)

断熱材を少しどけてみる
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床下からの配線を実現するためには、床下からケーブルを通す穴を開ける必要があります。

断熱材の一部をめくって、壁の中を狙ってドリルで穴を開けてみます。

壁の中にドリルが見えた
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穴あけの位置、角度ともにピッタリで、狙ったところに穴あけできました。

床下を経由しての配線を行う場合は、最低2箇所はこの様な穴あけが必要になります。

穴あけ後の床下の様子
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穴あけ後の床下からの様子です。8mmの木工ロングドリルで開けました。

LANケーブルは床下からの方が通しやすい
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LANケーブルを通します。見えているのはカテゴリー5eケーブルです。画像が横向きですがどうかご了承のほどを。

床下からケーブルを入れるほうが穴に通しやすいです。

床下からのケーブルを引き出す
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床下から長めにケーブルを入れれば容易に部屋側で引き出すことが可能です。

このケースでは壁の中に断熱材などの障害物がなかったので簡単でしたが、他のケーブルがあったり、筋交いがあったりなど状況はさまざまです。壁の中に色々入っているほど難易度は上がってしまいます。

床下でのケーブル処理
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床下でのケーブル処理の様子。

大体の間隔でケーブルサドル(ナイロンクランプ)を打ち固定しました。

古い住宅の床下
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古い住宅の場合、床下がベタ基礎じゃなくて画像のように土のままっていうこともあります。

床下から壁の中への隙間があるケース
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この画像は1Fのコンセント穴から下向きに撮影したものです。床下への隙間が見えますので、埋め込み配線には好都合です。

しかし、古い住宅ほど気密性・断熱性が低いのはこういったところが理由だったりします。床下に潜れるならば断熱材を買い込んで自分で貼る作業をするといいかもしれません。

CD管も余裕で通せる
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隙間がかなり広いので、CD管もそのまま通せます。

隙間があると本当に助かる
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床下経由のCD管配管も条件が揃えば問題なく施工することができます。

発泡スチロールの断熱材
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こちらはまた別の住宅です。断熱材に発泡スチロールが使われています。

発泡スチロールは加工がし易い
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ケーブルやCD管を通すだけの穴を簡単に開けられるので作業としては楽です。

上から床下に向けての穴あけ
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コンセント穴から床下に向けての穴あけ作業の方が、穴の位置を確認しやすいです。ただし柄の長いドリルが必要。自分は電動ドリル用エクステンションバーを使っています。

呼び16のCD管用の穴は25mmの木工ドリルがピッタリです。

断熱材も含め貫通
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上から穴あけできれば作業としてはかなり楽になります。床下の状況を見てどちら側から開けるかを判断してください。

理想を言うとCD管を配管しての配線なのですが、CD管を通すためにはさらに太い穴を開ける必要があり困難を伴います。竣工から10年以上経つ住宅(管理人の家も含む)では、天井裏と壁あるいは床下と壁に通じる隙間があったりするのでいちいち穴を開ける手間が省けて助かりますが、基本的に床下経由の配線をする場合は穴あけ作業が必要だと認識してください。

床下には色々な配管があって作業の障害になることも

床下に潜るとわかるのですが、キッチンや洗面所、お風呂などに行く給水管や給湯管、或いは配水管が配管されています。床下収納がある場所は概ねキッチンや洗面所ですので、フタを開けたらいきなりそれら配管が見えるかもしれません。

そういった配管に損傷を与えてしまうと取り返しがつかなくなりますので、くれぐれも注意して作業してください。配管を乗り越えるときは特に注意が必要です。狭い場所での作業ですのでムリは禁物、難しいと思ったらあきらめる勇気を持ってください。

床下作業に必要な、あるいは便利な道具たち

ハンドランプ

周りを広く明るくすることができるので天井裏や床下作業には欠かせません。AC100V仕様でLEDもしくは蛍光灯タイプのものがパワフルでオススメ。

平台車

床下に潜る時は道具類やケーブル、ビスなどの資材を一緒に持ち込むことになるので、平台車にそれらを載せると移動が楽になり作業効率がアップします。

LEDライト

ハンドランプで広範囲を照らし、懐中電灯はスポットランプのように見たいところを明るくする。床下は暗いのでペンタイプのライトでも充分使えます。

作業服

作業服を着用することで汚れを気にすることがなくなるので、より積極的な攻めの作業ができるようになります。ポケットもたくさんついているのでビスやサドルなどの小さい資材やドライバー、LEDライトなども収納することができます。

電動ドリルドライバー

穴を開ける際に必須の道具。先端のビットを交換することでドリル・ドライバーになるので1台は持っておきたいものです。充電式ならば12V以上のものが力に余裕がありオススメです。

肘あて、膝あて

床下に入っての匍匐前進では、肘や膝に結構負荷が掛かります。特に肘は前進するときに突かなければならないので肘あては必要です。作業用の肘あてのほか、子供用の膝あてなどでも流用することができます。

ここまでして埋め込み配線にこだわるかどうかはあなたの考え方次第です。充分に時間を掛けて調査してから施工に挑みましょう。このページがあなたの作業の参考になれば幸いです。

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