モールカッター(ダクトカッター 塩ビカッター)

露出配線の仕上げにはモール、モールのカットにはモールカッター

LANケーブルなどを床や壁の隅に露出で配線するときに使う「配線モール」。これをカットする道具が「モールカッター」です。モールに限らず塩ビ素材全般や一部プラスチック、CD管PF管などの可とう管なども簡単にカットすることができます。

特徴は

  • ラチェット機能と「てこの原理」によって少ない力で操作できる
  • 切断カスが出ない
  • 45度カットなどにも対応できるガイド付き

などです。

どういったものなのか、使い方を見ていきましょう。

マサル工業製モールカッター「MC-1」
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これはマサル工業製モールカッター「MC-1」です。古い機種で既に生産完了しているモデルです。

刃を交換することができるのですが、まだ交換したことはありません。

ラチェット機能搭載
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ハンドルの内側にある金具によって、ラチェット機能と「てこの原理」でカッターの刃を動かします。

力を必要とせずにモールなどをカットすることができます。

ハンドルと刃の動き
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ハンドルと刃の動きをgifアニメーションにしてみました。ハンドルを4回握ることで、刃が完全に閉じる仕組みです。

動画もご覧ください。ハンドル操作に合わせてラチェット機構の動きが良く分かるかと思います。この動きによって楽に簡単にモール類をカットすることができます。一般的なカッターよりも安全・確実で力を必要としないのでとても楽です。ノコギリの様に切断カスも出ないので養生なども不要です。

露出配線でモールをたくさん使用する時などでは、このモールカッターがあるとないとでは作業の捗り方が全然違います。プロ用の工具なので一般的には必要はないものですが、こういった工具があるんだということを知っておくといいと思います。何かの時に思い出してください。

モールカッター、塩ビカッター、ダクトカッターは厳密には別物

当ページではモールカッター、塩ビカッター、ダクトカッターを全部ひとまとめにご紹介していますが、厳密にはそれぞれに違いがあります。基本は長尺物の塩ビやプラスチック製品をカットするものではあるのですが、カットされるものの形状によって刃や刃受けの形状が違ってきます。

モールカッター
モールをカットしやすいように、刃受けがフラットになっている。
エンビカッター
塩ビパイプなど、断面が円形になるものがカットしやすいような刃受けになっている。
ダクトカッター
ダクトが刃の圧力でつぶれないように、刃受けにガイドがついている。

塩ビパイプやCD管、PF管など断面形状が丸いものはいいのですが、内部空間の大きいダクトやモールは刃が切れ込む前にそれ自体がつぶれてしまう恐れがあるのでカッター側(というかカッターの刃受け)に工夫がされています。モノによってはそれ専用になっているものやダクトガイドが取り外せる製品もあったりします。

以下にいろいろご紹介していますのでご興味がおありでしたら参考にしてみてください。

モールカッター(ラチェット機能搭載機種)