電源・アンテナ・LANをまとめて新設

3本まとめて設置して一気に情報化

有線LANのコンセントを設置するのには、もちろんそこにPCを設置するためという目的があるわけですが、LANにつなげたい機器はPCだけではなくゲーム機やハイビジョンテレビ、ハードディスク/DVDレコーダーなど多岐に渡っています。そういった映像機器を設置する場合は当然電源である100Vコンセントが必要ですし、アンテナ信号を受けるためのテレビコンセントも必要になってきます。

そんなPCやデジタル家電に必要な「電源・アンテナ・LAN」の三種類をまとめて新設してみました。もちろん埋め込み配線ですので見た目はテレビの裏側に新設したコンセント類が見えるだけです。(実際はテレビに隠れるので工事を行ったことすら分かりません)

以前、リビングの模様替えをしてテレビの位置を変えたのですが100Vコンセントやテレビコンセントは同じ場所からで遠くなりました。アンテナ線(同軸ケーブル)を長いものに交換したりテーブルタップを使って電源を持ってくるなどしていたのですが、今回、テレビの真後ろに電源とアンテナ線を配線することにしました。その際どうせやるならということでCD管を配管し、同軸ケーブルとLANケーブルは配管したCD管に通します。

工事概略図および概要

2F

リビングの壁面にダブルコンセント、テレビコンセントを設置する。配線するケーブルはVVFケーブル、同軸ケーブル、LANケーブルの3種類。浴室点検口からコンセントを設置する壁内へ埋め込み配線を行う。その際、CD管を配管し同軸ケーブルとLANケーブルはCD管内へ配線する。

  • VVFケーブルは既設の壁掛扇風機用コンセントへ配線
  • 同軸ケーブルは浴室天井裏に設置してあるアンテナ分配器へ配線
  • LANケーブルは当面使用しないので端末処理せず配線のみ

使用材料

ケーブル類

  1. VVFケーブル(電源用)1.6x2C 約5m
  2. 同軸ケーブル(アンテナ用)S-5C-FB 約10m
  3. LANケーブル(ネットワーク用)カテゴリー5eUTP単線仕様 約10m

配線器具

  1. 埋め込みWコンセント パナソニックコスモシリーズワイド21「WTF1302W」
  2. テレビコンセント  パナソニックコスモシリーズワイド21「WTF4473W」
  3. フェイスプレート パナソニックコスモシリーズワイド21「WTF8006W」

その他

  1. CD管(16) 約5m
  2. 埋め込みスイッチボックス2個用 1ヶ
  3. 5C用F型接栓 2ヶ

では、実際の工事状況をご覧下さい。画像をクリックすると大きな画像を見ることができます。

リビングにあるテレビの現状
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2Fリビングにおいてあるテレビの現状です。(散らかってます・・・)

このテレビの後ろにコンセントを新設するわけですが、現在は画像の右側にあるコンセント(写ってません)、テレビコンセントから電源とアンテナをそれぞれ引っ張ってきています。

電源とテレビコンセントの現状
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これがそのコンセントの状況です。

テレビコンセントはまあいいとして、100Vコンセントも常に1口ふさがってしまう(黒いプラグがテレビ用)ので不便です。もう一つはホットカーペットです。

テレビ裏の現状
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テレビの裏側です・・・

以前はビデオデッキがあったのでもっとゴチャついていたんですけど、壊れて撤去したのでテレビの配線だけです。(DVDを見るためにプレステ2をつないでいるのみ)

あー汚い・・・

テレビを移動する
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配線を外してテレビを移動させます。

まあどこの家もそうなんでしょうけどテレビの裏側ってもの凄いことになりますよね。ブラウン管のテレビは壁紙も汚すので困ったものです。液晶テレビ欲しいなあ・・・

壁掛け扇風機用のコンセント
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テレビが置いてある壁面には壁掛け扇風機用のコンセントがあります。

このコンセントを利用して100Vコンセントを増設する予定です。クリスマスの時期はリースに電飾をつけて飾っています(^^)

壁掛け扇コンセントを開ける
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では作業開始です。壁掛け扇風機用のコンセントを開けて上から通線できる状態にしておきます。

コンセントの開け方は壁コンセントのしくみをご覧下さい。

コンセントの床からの高さを測定
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続いて既に設置されているコンセントの高さを測ります。

コンセントの中心の高さは約200mmです。だいたいでいいです。

間柱センサーを使って壁裏を探査
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コンセントを新設する場所に間柱センサーをあてて壁裏を調査します。お決まりのパターンです。

ここは天井裏から見ると筋交いの根元があるようで、それにもセンサーが反応してしまいます。どこ太も併用して柱の位置を正確に見つけ出します。

開けたコンセント穴から下を覗く
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開けた壁掛け扇風機用コンセントの穴にデジカメを突っ込んで下向きに撮影しました。右側がリビング側の壁です。

別のVVFケーブルとアース線が下の階に向けて配線されています。多分1階のエアコン用コンセントの専用回路と思われます。筋交いとそれを固定する金具が見えます。リビングとは反対側に筋交いが設置されているのでボックスを設置するスペースはありそうです。

パネルボックスを使って卦書く
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1個用パネルボックスを使ってコンセント穴をケガきます。

2個用のボックスを設置しますが、とりあえず1個用の穴を開けて中の状態を確認し、穴の大きさを調節するという方法で行きます。水準器を使って穴が水平になるようにパネルボックスを固定します。

ボックス穴の罫書き終了
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ケガき終わりです。写真が曲がっているのか斜めっているように見えますが垂直です(^^)

柱の位置が良くわからなかったのでどこ太を何回か使いました。刺した穴が見えます。

とりあえず穴あけ終了
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ファイルソーでのくり抜き終了しました。

上から見た時のVVFケーブルとアース線、さらに筋交いが見えます。

柱からの距離を調整しつつ穴を広げる
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穴の右側にある隠れた柱と穴との距離を調整しつつ穴を拡大します。

柱の側面ピッタリに穴を開けると埋め込みボックスの側面が見えてしまい、配線器具が収まらなくなります。従ってボックスの側面が隠れる程度の距離を残して穴の位置を決める必要があります。

穴の右ラインが決まったらそれに合わせて左ラインが決まるのでそれぞれ削って穴を広げます。

スイッチボックス用の穴の大きさ
新設するスイッチボックスにヒモを結んで
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上から壁の間に落としこむ
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壁に穴が開いたらスイッチボックスを設置します。

浴室の天井点検口からスイッチボックスを落とし込みます。ボックスにヒモをつけて(上の画像)穴を開けたところに落とす(下の画像)、ただそれだけです。筋交いの位置を頭の中にイメージしながらの作業です。

ボックスが落ちてきた
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ボックスの落とし込みができました。

つけたヒモは天井裏で切断してボックス側に出してしまいます。ボックスが下に落ちないように「命綱」の代わりをさせます。まあ仮に落ちたとしても容易に手が届くので取っちゃっても別段問題ありません。

CD管を上から差し込む
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同様にしてCD管を同じ場所から差し込みます。

通線スチールを使ってCD管のガイドをさせるとスムーズに行きますが、横着して直接CD管を通します。CD管は丸まっていてクセがあるので、逆にそのクセを利用して真っ直ぐ下に行くように押し込んでいくのがコツです。硬いので結構力が必要です。

無事にCD管が通った
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無事にCD管が通りました。なかなか言う事を聞いてくれなくて苦労しました・・・

スイッチボックスにCD管を接続
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スイッチボックスにCD管を接続します。

壁の中での接続作業なのでかなりやりにくいのですが、気合でCD管をボックスに押し込みます。CD管がつぶれないように、またケーブル類に注意しながら慎重に且つ大胆にやります。

上からVVFケーブルを垂らす
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今度は壁掛け扇風機のコンセント穴からVVFケーブルを垂らして下まで通線します。

この距離ならCD管の時と同様、直接VVFケーブルを入れても問題なく下まで来ます。

VVFケーブルの通線完了
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VVFケーブルの通線完了。ここは特に難しいことはありません。

ボックスを柱に固定
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スイッチボックスを付属の木ビスで柱に固定します。

固定する前にボックスの穴にVVFケーブルを通すのを忘れないように。自分はよくやるんですよ・・・CD管も接続されているのでボックスを所定の位置に持ってくるのがやや難しいですが、気合です(^^)

先に新設側のコンセントを接続
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VVFケーブルの芯線をむいて埋め込みコンセントに接続します。

速結端子なので差し込むだけ。完全に差し込んだら抜けないか確認します。同様にして壁掛扇のコンセントも結線し壁に収めます。

点検口側のCD管を適当に設置
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点検口側のCD管を適当な長さに切断し、適当な位置にサドルで固定します。

既にLANケーブルが通っているCD管は「CD管を別フロアまで通す」で作業したものです。

CD管に同軸とLANケーブルを挿入
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設置したCD管に同軸ケーブルとLANケーブルを挿入します。

ここも通線スチールなどは使わずに、直接ケーブルを押し込んでいきます。ケーブル同士をテープで束ねてもいません。

同軸とLANケーブルが出てきた
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特に抵抗を感じることもなく、2本がスムーズに出てきました。さすがCD管のおかげです。

ここまで来ればあとはそれぞれ配線器具を接続するだけですが、LANケーブルは当面使う予定がないのでそのままケーブルを中に押し込めます。

パナソニック「高シールドテレビターミナル」WTF4473W
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完璧にシールドされている
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テレビコンセントはパナソニックコスモシリーズワイド21「埋め込み高シールドテレビターミナル」WTF4473Wを使いました。(5C用F型接栓1ヶ付属)なんかこんな高性能の部材を使わなくても良かった気が・・・

高シールドと言うだけあって完璧にシールドされています。カタログではケーブル接続部を器具の上部に配置してボックス内の同軸ケーブル取り回しが容易になるように改良したそうです。

同軸に接栓をつけて配線器具に接続
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同軸ケーブルに付属のF型接栓をつけて端末処理をし、テレビコンセントに接続します。

因みにテレビコンセントの取り付け枠を外して逆さに取り付けることも可能です。同軸ケーブルを上からスイッチボックスに導入している今回のような場合、接続端子が上を向いているほうが同軸ケーブルをスイッチボックス内で曲げる必要がないので良いです。

水準器で水平を確認
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配線器具を固定する際は必ず水準器で水平を確認します。

埋め込みボックスが確実に柱に固定されていれば、ボックスの水平は既に出ているので間違いはあまりないと思いますが念のため。

フェイスプレートを取り付けて完了
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フェイスプレートを取り付けて作業終了です。

近くに天井点検口さえあれば今回のような埋め込み配線工事が可能です。コンセントの増設作業は電気工事士の資格が必要になりますが、同軸ケーブルやLANケーブルの配線であれば資格を持っていないあなたでも行える工事です。スッキリとした配線を目指してチャレンジしてみてください。

液晶テレビを壁掛けにするといったケース、最近は多いと思います。しかし壁掛けにしてみたものの配線がダラダラと見えてしまってはスッキリとしたインテリアが台無しです。そんな時にも大いに使えるテクニックではないかと思いますのでぜひ自分のものにしてください。

かなり長いレポートになりました。最後までご覧頂きありがとうございました。

ホームシアターの構築に便利な配線器具

パナソニックの配線器具、コスモシリーズワイド21に「スピーカーターミナル」が新登場しました。ホームシアターには欠かせない5.1chサラウンドシステムを構築する際に便利な配線器具です。

ホームシアター用リアスピーカー配線イメージ

新築やリフォームの際、または今回ご紹介したような後から埋め込み配線でホームシアターを実現したいとお考えでしたらパナソニックコスモシリーズワイド21配線器具「スピーカーターミナル」をご検討ください。

5.1chサラウンドに必要なリアスピーカーの配線を埋め込み配線にすることでお部屋のデザインを損なわずに美しいAVスペースを作り出すことができます。

特徴

  • コインで容易に増し締めできるスリット端子採用
  • バナナプラグ対応
  • 端子部をホコリからシャットアウト。防塵クリアカバー付き
  • 端子を緩めすぎても抜け落ちない安全設計

以前のフルカラー配線器具にもスピーカーターミナルはラインナップされていましたが、バナナプラグに未対応で端子がむき出しでした。今回新たに発売されたコスモシリーズワイド21スピーカーターミナルは音にこだわるオーディオマニアや大画面で楽しむ映画好きにオススメしたい製品です。天井付けのスピーカーにもぴったりです。

パナソニック

WTN4101W

埋め込みスピーカーターミナル

(1対用)WTN4101W

WTN4102W

埋め込みスピーカーターミナル

(2対用)WTN4102W