「ktさま」邸LAN工事”床下からの配管配線”

東京都内にお住まいのktさまよりLAN工事のご依頼をいただきました。

1Fダイニングに来ている電話線からADSLモデムを設置してインターネットをご利用になっています。そこから部屋のスミに這っているLANケーブルをどうにかしたいというご希望ですので、埋め込み配線ができるかどうか早速調査を始めます。

建物の構造  :  在来軸組み工法2階建て
ネット回線  :  DTI(DreamTrainInternet)ADSL

ご希望

  • 2F洋室と1Fリビングテレビ裏にLANケーブルを配線したい。現在1Fダイニングカウンター下収納内にADSLモデムを設置していてLANケーブルを部屋のスミに這わせているが、これをどうにか無くしたい。
  • できればADSLモデムも天井裏等に移設して、収納内をスッキリさせたい。

部屋のスミにLANケーブルがあるのは見た目にも良くないし、足を引っ掛ける危険もあります。埋め込み配線ができるのか、さらに天井裏にADSLモデムを設置することができるか、じっくりと調査していきます。

1F平面図

ktさまのご実家ということもありましてとても広い間取りになっています。既設の天井点検口が浴室と和室収納内の2箇所、床下点検口(床下収納)がキッチンにあります。埋め込み配線の際には大いに役立ちます。固定電話がカウンターに設置されているので、ADSLモデムを移設する場合は電話線を2本(モジュラージャック→ADSLモデム、ADSLモデム→電話機)引く必要があります。

リビングは増築したお部屋とのことです。

2F平面図

2階は4部屋あり、今回配線をご希望になっているのは上図一番下の「洋室C」1箇所です。PCが置いてある側の壁(平面図では一番下側)にLANコンセント取り付けをご希望になっているので、それに沿ってプランを考えます。

配線プラン決定

1階浴室の天井裏にADSLモデムを移設して、そこを起点に2部屋にLANケーブルを配線します。既存の電話用モジュラージャック付近から浴室天井裏まで床下を使ってCD管を配管して電話線を配線、ADSLモデムが機能するようにします。

1Fリビングテレビ裏へも同様に床下を経由して配管配線、2F洋室Cへはキッチンの天井に点検口を設置し、浴室点検口から天井裏を使って配管配線をします。

上記平面図にカーソルを乗せると配線プランが表示されます。

では、早速作業の様子を見ていきましょう。

電話線用の配管作業(床下経由)

1Fカウンター下の様子
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まずはネット回線の上流側を確認します。1Fダイニングカウンター下、収納内の様子です。

アナログ回線のモジュラージャックが設置されていますが、電話線が作り付けの家具に隠れていて壁の中がどうなっているのかよくわかりません。

家具の一部を切って電話線が見えるようにする
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許可をいただき家具の一部を切り抜いて電話線が見えるようにしました。

残念ながら電話線は配管を通っているわけではなく直接配線されているようです。配管があればLANケーブルの配線に使えたのに・・・なのでモデムを移設する先までここから電話線をいずれかの方法で延長するようになります。

壁の中の様子(下向きに撮影)
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壁の中を撮影しました。デジカメを壁の中に下向きに入れて撮っています。ここは電話線が通っている穴ではなく、近くにあるコンセントの穴からの様子です。

なんとなくですが、床下へ通じる隙間が見えます。この隙間を使って床下経由の配線ができそうです。

当初はここから壁の中を立ち上げて1Fの天井裏へ線を通すつもりでしたが、思った以上に壁の中にいろいろ入っていてスペースがなさそうなのでルートを床下に変更しました。

床下配管作業終了後の様子
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上述したコンセント穴からCD管を入れてみると結構スムーズに床下まで入っていきます。床下点検口から床下に潜り、CD管を浴室天井裏まで配管しました。肝心なところの写真を撮り忘れてしまい、作業の様子がお伝えできないのがとても残念です・・・本当にスミマセンm(_ _)m

電話線が来ている壁付近まで床下を進み、壁から入れたCD管を床下に必要な長さ分引き込みます。そのCD管を持って浴室付近まで移動、あらかじめ通しておいた浴室天井裏からの呼び線にCD管を接続して引っ張り上げます。

という作業内容です。文字にすると簡単ですが、結構時間掛かってます・・・

浴室天井裏までCDが通った
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浴室天井裏の様子です。通したCD管を適当な長さに切りました。

ここにADSLモデムを設置するために、この配管には電話線を2本通す予定です。

電話線側の様子
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同じく電話線側の様子です。床下からCD管が伸びています。

写っているグレーの管はktさまが露出したケーブルをまとめるために使っていた管です。

CD管を埋込ボックスに接続
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通したCD管を埋め込みスイッチボックスに接続し、ボックスを元の位置に固定します。CD管の接続には未来工業の「SBアダプター」を使用しています。

現在販売されている埋め込みスイッチボックスはCD管を直接接続することができますが、古いタイプのボックスにはSBアダプターが必要になります。

テレビ裏への配管(床下経由)

テレビ裏への配管場所
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テレビ裏の様子です。正確にはテレビ横ですね。

当初テレビ裏の壁に設置されているテレビコンセントと同じボックスにLANコンセントを設置する予定でしたが、配線方法が見つからなかったのでテレビ横の壁に設置することになりました。

適当な位置に穴あけの線を卦書く
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間柱センサーやどこ太などを使って壁の中の様子を調べ、適当な位置に埋め込みスイッチボックスを設置する穴あけの線を卦書きます。

穴の位置は、横方向はテレビ裏の壁ギリギリに、高さ方向は他に設置されているコンセントの高さを参考にしました。穴の大きさは90x50mmですが、この辺はだいたいです。

穴あけ終了
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穴あけ終了。呼び線を突っ込んでいるところです。
壁の中の様子
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壁の中を見てみると、ここも床下に通じる隙間が見えるのでCD管が通せそうです。

早速床下に潜ってみます。

CD管が通せた
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余裕でCD管を通すことができました。

作業としては、上から呼び線を通しておいて床下にCD管を持って潜り、上から入れた呼び線にCD管を接続して引っ張り上げる、というやり方です。なので自分は床下に潜ってktさまに上から引っ張ってもらいました。

二人でやらないと難しい作業です。

CD管サドルなどを使って固定
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このCD管も先ほどと同じように浴室天井裏にもっていきます。

CD管は途中CD管サドルなどを使って固定しながら床下を移動します。

浴室天井裏へCD管を立ち上げる
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浴室付近まで来たら壁の中を通して天井裏へ通します。

ここも同じように先に呼び線を通しておいて床下でCD管を接続、上から引っ張るやり方です。CD管が丸まろうとする癖がついているのでそれを伸ばしながら、尚且つねじれないように通すのがポイントです。

右方向から立ち上がっているCD管が最初に通した電話線用のCD管です。

CD管を通した直後
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CD管を通した直後の様子です。

埋め込みボックスにCD管を接続して壁の中に設置
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CD管に埋め込みスイッチボックスを接続し、壁の中に固定しました。

正確には、埋め込みボックスにCD管を接続するためのSBアダプターをセットしてから壁の中に入れ、壁の中でCD管を接続しました。

ボックスの固定にはコーススレッドを使っています。後付け感が全くないのが気持ちいいですね。

浴室天井裏でもCD管を固定
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浴室天井裏にて、通したCD管をサドルで適当な位置に固定します。

写真では既に電話線とLANケーブルが通っています。電話線はインターホンケーブル、LANケーブルはカテゴリー6です。どちらも容易に入手可能な資材です。

部屋側はLANコンセントを取り付けて仕上げ
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部屋側はLANコンセントを取り付けて仕上げます。

チョー気持ちいい。

床下を経由した配管作業はこれで終了です。

1Fでの配線作業では天井裏と床下、二通りの配線プランがあります。条件はそれぞれ天井点検口、床下点検口が設置されているかどうかですが、床下配線のメリットは1Fのどのポイントでも到達できるという点です。作業としては天井裏を通すより手間が掛かりますが配線できる可能性は高くなりますので、今回のように壁の中から床下に抜ける隙間があるならば大いに埋め込み配線のチャンスがあります。作業の参考になれば幸いです。

続いて、1F天井裏→2F洋室への作業の様子です。