専用工具を使うともう元には戻れない
LANケーブル他、電線・ケーブルを壁の中や天井裏に配線するといったことがこのサイトのメインテーマであるわけですが、実際に点検口などから通線作業をする場合いきなりケーブルを通すというのはかなり無理があります。
というのは5Cぐらいの同軸ケーブルなどはケーブル自体多少腰があって作業性が良いという部分もありますがほとんどの場合目的の場所にケーブルを通す、あるいは中空壁内にケーブルを落とす作業が手元近くでできないのが理由です。
そこで、専用の通線工具の出番です。便利な道具というものはどの世界にも存在するもので、プロの職人が使っている通線工具をご紹介します。
もちろん身の回りにあるものを使って線を通すこともできますのでそんなノウハウもご紹介していきます。
通線用スチール
パイプやCD管などの配管内にケーブルを通す場合、呼び線として通すものです。弾力性のある素材の線を2本から3本らせん状に編んだ物で腰があると同時にしなやかさもあるという優れものです。配管されているところであればまず間違いなく通線できます。
配管のないところでも良く使います。写真のように丸めて収納しているので多少まるまってしまう癖がありますが3mぐらい先の中空壁への通線作業であれば多少時間は掛かりますが可能です。ぜひ揃えておきたい道具です。
呼び名は「通線スチール」ですが、素材はスチール、プラスチック、PET(ポリエチレン)PP(ポリプロピレン)など様々でそれぞれ長所・短所があります。
DENSANブラックスリムライン スリムヘッド
コストパフォーマンスに優れた通線スチール、ブラックスリムライン。30mと50mがラインナップされていますがDIY使用なら30mで十分。ケース付きでとてもリーズナブル、太さ4.0mmと多少細めですが、たわみが少ないので通線性能は抜群です。CD管が配管されているならひとつあるだけで作業効率に雲泥の差が出ます。
- 長さ:15m 30m 50m
- 太さ:ロッド部4.0mm ヘッド部5.7mm
- 収納ケース付き(CD管)
- 材質:PET
DENSANブラックエース
上記ブラックスリムラインの上級版。ロッド線径5.2mm、15m・30m・50m・100mの4種類がラインナップされています。上級版といっても価格はDIYerに優しい設定になっています。100mタイプを除きケース付きですので、ケースを含めた価格を考えるとこちらもコストパフォーマンスに優れた製品と言えます。
- 長さ:15m 30m 50m 100m
- 太さ:ロッド部5.2mm ヘッド部9.0mm(取り替え可能)
- 収納ケース付き(CD管)※BX-5201には付いていません
- 材質:PET
DENSANスーパーレッドライン
線径5.8mmで腰の強さ抜群、押し込み作業に威力を発揮する通線スチールです。太いぶん価格は高めなのでDIY向きとは言えませんが、配管内に物が詰まるなどトラブル時には重宝するでしょう。
- 長さ:30m 50m
- 太さ:ロッド部5.8mm ヘッド部10.5mm
- 収納ケース付き(CD管)
- 材質:PET
DENSAN呼び線ケース
通線スチール専用のケースです。通線スチールはケースなしでも使用可能ですが、ケースを利用することで作業効率が格段にアップします。同時に収納性、可搬性も上がるので利便性も向上。ここではケース付き通線スチールをオススメしていますが、ケースなしモデルを購入される際はケース購入もご検討下さい。
呼び線ケース収納可能表
型番 | Φ4.0mm | Φ5.2mm | Φ5.8mm | Φ6.5mm | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
30m | 50m | 15m | 30m | 50m | 100m | 30m | 50m | 30m | 50m | |
ND-60S | ○ | × | ○ | ○ | × | × | ○ | × | × | × |
ND-65 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | ○ | × |
ND-70 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
DENSANオレンジヨクトール
FRPの心材にPP(ポリプロピレン)被覆加工し滑りを追求。ロッド径3.5mmと極細のため狭い配管やケーブルの追加作業でもスルスルと入っていきます。ガイドリング付き収納ケース付き。
- 長さ:15m 30m 50m
- 太さ:ロッド部3.5mm ヘッド部6mm
- 収納ケース付き(CD管)
- 材質:心材FRP 被覆PP(ポリプロピレン)
DENSANフラットPETライン
細くて軽いのに腰が強いので、引っ張り作業はもちろん押し込み作業にも対応できる優れもの。ロッド断面が四角形のため従来品に比べ直進性に優れているので、配管内配線作業はもちろん、天井裏から狙ったところの壁内への落とし込み作業にも向いています。
DENSANハンズプーラー
通線スチール牽引時に使用することで、牽引力を大幅(素手の約5倍)に上げることのできるゴム製のグリップ。DENSANウェット等通線抵抗を低減する潤滑材を使用したときに特に威力を発揮します。
ケーブルキャッチャー
釣竿のように伸ばす、縮めるといったことができるこの道具は天井裏や床下に配線をするときに威力を発揮します。先端部分にフックがついていてケーブルを引っ掛け引っ張ることができるので狭い場所、手の届かないところへ簡単に通線することができます。
天井裏が見通せる情況であれば天井点検口から使用することでかなり広い範囲で通線作業が可能になります。DIYで使用するには価格的にかなり重くはなりますが、管理人にとっては必携工具です。
ケーブルキャッチャーという名称はマーベル製品の製品名ですが、このような工具の呼び名として定着しています。
DENSANブラックフィッシャー(レッド)
強化FRP製でしなりが少なく使いやすい製品です。LEDライト有り/無しの2タイプがありますが、無しタイプでも先端のフックをLEDライト内蔵フックに交換することができます。その他オプションで多種多様なフックに付け替えることが可能になっています。
標準搭載のフックは小さめのものになっているので、比較的狭いところ細いところ、あるいは既存のケーブルや配管類があるところでも避けて通すことができるので埋込配線においてはかなり重要な道具です。これの有無で実現できる作業範囲がかなり変わってきます。
カタログページ(Jefcom2016総合カタログより抜粋:PDFファイル)
LED付き
LEDなし
DENSANカーボンフィッシャー
竿素材にカーボンを使用、FRPと比較して軽くたわみにくい製品になっています。価格は張りますが、使い勝手は最高で完全にプロ仕様です。全長が同じでも収納時の長さでたくさんのバリエーションが存在するので、作業内容に合ったものを選ぶことができます。上記ブラックフィッシャー同様、先端金具を交換することでライト付きにすることができます。
カタログページ(Jefcom2016総合カタログより抜粋:PDFファイル)
マーベル グラスファイバー製ケーブルキャッチャー
先端に白色LEDを装備し視認性をアップしたタイプと、蛍光色を塗布した廉価版をラインナップ。長さと軽さを両立して作業効率を格段に向上したプロ仕様の通線工具です。
長さは4m~8m、重さは一番長いもので1.3kgです。
LED付き
LEDなし
マーベル カーボンキャッチャー
カーボン製でたわみが少ないケーブルキャッチャー。LEDライト付きは高輝度白色LEDを採用し、非常に明るく長寿命で低消費電力です。
LED付き
専用工具を使わなくても通線できる
専用の道具を使えば楽に通線できるのですが、めったに通線なんかしないのに高い道具を買うのはどうか?と思われる方もいらっしゃるでしょう。もっと簡単な方法ないの?というあなたのために、身の回りにあるちょっとした物をつかってできる配管内に呼び線を通す簡単な方法をご紹介します。
用意する物は たこ糸 ティッシュ セロハンテープ 掃除機 です。
作業手順は以下のとおり。
- ティッシュをちぎって小さく丸め、セロハンテープでたこ糸をくくりつけます。ティッシュの大きさは配管の内径の半分程度の大きさにします。すでに何らかの電線・ケーブルが通っているときは内径の1/3ぐらいにするといいでしょう。たこ糸は通したい配管より長いものを用意します。
- 配管の入り口にたこ糸のついたティッシュを入れて、反対側から掃除機で吸い込みます。たこ糸が絡まないように、また掃除機の吸い込み口に指をあてるなどしてティッシュが掃除機に吸い込まれないように注意します。
- ティッシュが配管を通って掃除機側に来ればOK。たこ糸に通したいケーブルをつないで反対側から引っ張れば作業完了。
特別な道具なしでもできます。きっと誰にでもできるのではないでしょうか。やってみれば「なんだ、高い道具なくてもできるじゃん」ってことになります。お試しください。
この方法で実際に配線した様子を「CD管に配線するコツ」にてご紹介しています。
通線抵抗を低減できる「DENSANウェット」
CD管にLANケーブル等のケーブル類を通す時に、管が細い、既に別のケーブルが通っているなどの理由でスムーズにケーブルを通すことができないことがあります。原因はCD管とケーブル、あるいはケーブルとケーブルの摩擦による通線抵抗です。短い管路であればそれほど摩擦が起きることもないんですが、距離が長ければ長いほど当然ながら摩擦抵抗も強くなり通線作業の難易度も上がってしまいます。
そんな時にオススメしたいのがDENSANの「入線潤滑材」。ケーブル被覆、CD管及び人体に無害で、乾いた後も性能を損なわず軽い滑りが長持ち。ケーブルに塗ってCD管に通せばCD管の内側にも塗れるのでケーブルの追加や入れ替え作業の省力化が期待できます。
現場で最も使われている製品がDENSANウェット。消耗品ではありますが高いものではないので、通線抵抗に遭遇して苦労する前に1本用意しておくことをオススメします。
500ml
3.0L
NCS-700
BJ-420