CD管に追加配線をするコツ

専用工具がなくても配管内に配線できる

一般住宅においての電話線は配管内に配線されていることがほとんどです。これは建物が完成して施主に引渡されてから電話工事を行うため、配管(CD管)がないと電話線の配線工事を行うことができないからです。

電話線の配線は普通ブランチ接続(渡り配線、各部屋にあるモジュラジャックを一筆書きのように数珠繋ぎで接続する)なので、そのための配管(CD管)も部屋から部屋へ設置されています。管理人の家もこのような状況でして具体的には

NTT柱より2階浴室天井裏へ電話線導入

3階南側居室

3階北側居室

2階リビング

1階北側居室

というルートでCD管が配管されています。

部屋から部屋へCD管が配管されていて、CD管内は電話線が1本通っているだけなのでLANケーブルを余裕で配線することができます。ここではその具体的な方法をご紹介しますが、今回は通線スチールを使わずポリひもを使ってLANケーブルをCD管内に通線してみたいと思います。

使用するものは 荷造り用ポリひも、ビニールテープ、掃除機 です。

各部屋のテレホンモジュラを確認
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ここは3階北側居室にあるテレホンモジュラです。

ここからCD管は2階リビングに通じているのでそこまでLANケーブルを配線してみたいと思います。

テレホンモジュラを外す
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フェイスプレートを外してテレホンモジュラを外します。

電話線が配線されたCD管が見えます。このように渡り配管されていますので途中のボックスには上り方向に行くCD管と下り方向に行くCD管があります。どちらが上りか下りかはわからないので調べる必要があります。

配線器具の外し方は「壁コンセントのしくみ」をご覧下さい。

埋め込みボックスに接続されたCD管
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ここは3階なのでCD管はどちらも下から立ち上がって接続されています。

2階のテレホンモジュラも開ける
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2階リビングのテレホンモジュラも同様に開けます。

ここは以前LANケーブルを配線したところです。詳細は「LANケーブルを壁の中に通すには?」をご覧下さい。

一旦LANコンセントを枠から外す
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作業しづらいのでLANコンセントを取り付け枠から外します。

上から降りてきているCD管が3階のボックスとつながっています。

通線用「ポリひも」?
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CD管の両端が見えたら通線作業開始です。

今回は通線スチールがないという状況でもCD管内にLANケーブルを通す方法を実際の作業で行ってみます。使うものは100円ショップで買ってきた荷造り用ポリひもです。このひもをCD管に通して呼び線にしLANケーブルを通します。

ポリひもをCD管に入れる
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ポリひもを2階リビング側のCD管に少し差し込みます。

ポリひもを先端で5cmぐらい折り返して、その折り返した部分からCD管に差し込んでいます。

反対側から掃除機で吸い込む
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3階に上がり、反対側のCD管にすきま用ノズルをセットした掃除機を当ててフルパワーで吸い込みます。

するとあっという間に(ホントにあっという間)ポリひもがCD管内を通って掃除機に吸い込まれます。ひもが吸い込まれすぎないように注意。
これでめでたく呼び線を通すことができました。CD管が下向きの場合は掃除機を当てづらいので、何か工夫が必要と思われます。

ポリひもとLANケーブルの接続(1)
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あとはポリひもとLANケーブルをつないで引っ張るだけです。

ひもとLANケーブルをつなぐ時は簡単に抜けないような工夫が必要です。CD管には電話線が既に配線されているので少なからず通線抵抗が発生します。ビニールテープを使ってしっかりと接続します。

まずはLANケーブルとひもを重ねてビニールテープを巻いていきます。

ポリひもとLANケーブルの接続(2)
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ある程度巻いたらひもを折り返し、

ポリひもとLANケーブルの接続(3)
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その上からビニールテープを巻きます。

ポリひもとLANケーブルの接続(4)
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残ったポリひもを覆い隠すようにさらにビニールテープを巻いて

ポリひもとLANケーブルの接続(5)
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接続完了、これで抜ける心配はまずありません。

接続箇所があまり太くなるとCD管に通らなくなるので注意。

ポリひもを引っ張りLANケーブルを通線
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いよいよLANケーブルの通線です。ポリひもをゆっくり引っ張ります。

抵抗を感じたらLANケーブルの入り口を見に行きましょう。大抵引っかかっていたりねじれが発生していたりします。ポリひもは伸びるのでその点も注意します。

LANケーブルを通すことができた
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無事にLANケーブルを通すことができました。LANケーブルからひもを外します。

あとは端末処理だけなので終わったも同然です。端末処理については「LANケーブルの作り方」および「LANコンセント」をご覧下さい。

いかかでしょうか。CD管が配管されていれば通線工具がなくても埋め込み配線をすることができます。ただ、CD管の行き先を調べるのに、配線されている電話線を少し引っ張ってみてどの線が動くのか確認する必要があるので一人作業では難しいです。ひもを引っ張ってLANケーブルを通す時も引っ張る人とLANケーブルを押し込む人と2人で作業した方が格段にスムーズに行きます。家族の協力を得ましょう。

とても手軽に安価に配線工事ができるこの方法、通線スチールは高いし使用頻度も少ないからとお悩みのあなた、まず試してみる価値はあると思います。配管の状況(特に長さ)によってはすんなりと行かないこともありますが、焦らずゆっくりと時間を掛けて埋め込み配線を実現しましょう!

何ヵ所も通すなら「呼び線」があったほうがいい

CD管内に配線をするならば通線スチールを使ったほうが作業効率がいいのですが、そのためだけにそう何回も使うことのない工具を買うのはいかがなものかと思います。

しかし、ジェフコム株式会社が「DENSAN」ブランドで販売している「ブラックスリムライン」と「ブラックエース」はコストを低く押えつつ通線性能を高めた通線スチールです。特にブラックスリムラインの30mタイプ「BX-4030J」は4,000円前後で買えるコストパフォーマンスに優れた製品、通線作業に不慣れなあなたでもその作業性の良さに驚くことでしょう。有線LANを埋め込みで敷くなら通線スチールを持っておいて損はないです。

DENSANブラックスリムライン(ケース付き)