壁コンセントの仕組み

壁の中を見てみよう

LANケーブルを壁の中に通し、目的の場所までもっていくためには壁や天井に穴をあける必要があります。でも、出来るなら開けたくはありません。

そこで、既に開いている穴を利用しましょう。壁に埋め込まれているコンセントや天井埋め込み照明などの穴です。

このページでは壁コンセントの仕組みとその外し方をご紹介します。

注意:必ず分電盤にて外すコンセントの電源回路ブレーカーをOFFにしてから作業してください。電源が入っている状態でコンセントを外すと感電する恐れがあり、最悪の場合命にかかわることもあります。

埋め込みコンセント外観
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埋め込みコンセント外観です。

どこの家庭にもある2個口の埋め込みコンセントです。こちらのコンセントはパナソニックのコスモシリーズワイド21「ダブルコンセント(WTF1502)」および「コンセントプレート(WTF8003W)」です。このコンセントを外します。

パナソニックのフルカラーシリーズおよび他メーカーのコンセントでも外し方は同じです。

ツメで引っ掛けて引っ張るとプレートが取れる
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フェイスプレートはベース部分とカバープレートで構成されています。

カバープレートはベース部分にはまっているだけなので、カバープレートの端をツメで引っ掛けて引っ張ると固定しているツメが外れて簡単に取り外すことができます。

フェイスプレートが取れた
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フェイスプレートが取れました。

手で簡単に取り外すことができます。事務所などで使われている金属製プレート(新金属プレート、ステンレスプレートなど)は化粧ビスで固定されているので、そのビスを外すことで取り外せます。

プレートのベース部分も取り外す
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続いてプレートのベース部分も取り外します。

上下2ヶ所で取付枠に固定されていますのでビスを外すことで取り外せます。ビスはベース部分に残ります。(と言ってもまわし過ぎるとベース部分から外れてしまうので注意)

プレートベースが取れた
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ベースが取れました。

プレートに隠れている壁は結構汚れます。これは外気が壁の中を通ってこの穴から出てくるためです。寒い冬や暑い夏にコンセント付近に手を当てると、外気が入ってくるのがわかると思います。

高気密住宅ならばこんなことはないのでしょうが、ウチは普通の建売一戸建てなので余裕で外気が入ってきます(笑) まあ「自動的に換気されている」とプラスに考えるようにしています・・・

取付枠を固定しているビスを外す
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コンセント本体を外します。

ここも上下2ヶ所のビスを外すことでコンセント(取付枠)本体を外すことができます。このビスは壁の裏側にある埋め込みスイッチボックスに固定されています。

コンセントが外れた
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コンセント本体が外れました。

コンセントは当然のことながらケーブルとつながっているのでこのようにブラブラとします。壁の裏にある埋め込みスイッチボックスが見えるようになります。

埋め込みスイッチボックスを固定しているビスが見える
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埋め込みボックスを固定しているビスが見えます。

埋め込みスイッチボックスは通常間柱(まばしら)等にビスで固定されています。ここのような1コ用の埋め込みボックスだとビス1本で固定されていますので埋め込みボックスを取り外すのは容易です。

埋め込みボックスを外す
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埋め込みスイッチボックスを取り外します。

ビスは斜めに間柱に固定されていますので、外からドライバーで回すことができます。しかしビスの山を崩さないようにゆっくり慎重に回すようにします。電動ではなく手回しのドライバーがいいです。

埋め込みボックスがフリーになった
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ビスを取ると埋め込みスイッチボックスが壁の中でフリーになります。

電源ケーブル(VVFケーブル)が埋め込みスイッチボックスの穴を通っているのでボックスが落ちることはありません。この辺まで作業を進めると石膏ボードのカスが下に散らばるようになります。

埋め込みスイッチボックスを取り出す
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埋め込みスイッチボックスを取り出します。

取り出すためには埋め込みスイッチボックスを横にする必要があるので壁の中にある程度の空間が必要です。埋め込みスイッチボックスの奥に筋交いがあるとか、すぐ脇をパイプが通っている、などで空間がない場合は取り出せないケースもあります。

埋め込みスイッチボックス取り出し完了
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埋め込みスイッチボックスを取り出すことができました。

コンセント用の穴は小さいのですが、それはそれで通線作業にはとても使える「壁の点検口」と言えます。画像で分かるように石膏ボードの粉が降りそそぐので作業する時は養生してください。

壁の中の映像
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壁の中にデジカメを入れて撮影してみました。

隣の部屋にあるコンセントの埋め込みボックスが見えます。ここは間仕切壁なので断熱材がなく作業しやすい空間です。

壁の中にはこんなに空間がありますので、このスペースにLANケーブルを通すことができれば何も問題ありません。

仕組みがわかると意外と簡単に外すことができます。既存の穴を使って家をキズつけることなく埋め込み配線していきましょう。埋め込み照明器具の外し方もご紹介していますので参考にしてみて下さい。

元に戻す方法は外す手順と全く逆になります。注意点は埋め込みボックスを間柱に固定するところで、ボックスをなるべく壁の内側にピッタリくっつけて固定するのがポイントです。コンセント(取付枠)とボックスで壁をはさむようにしますのでそんなにシビアになる必要はないのですが、あまり離れすぎるのも良くないです。あせらず丁寧に作業を進めるように心掛けましょう。


ここで使用したドライバーはベッセル(VESSEL)ボールグリップドライバーというものです。電気工事をはじめアンテナ工事や水道管工事など幅広い現場で活躍する耐久性抜群のドライバー。柄がボール状で握りやすく、また力を入れやすい。さらにラバーコートされているので手にしっくり馴染んで滑りにくくできています。

先端にマグネット加工を施してあるのでビスの落下を防ぐことができます。プロが使用する工具なので使いやすさは折り紙つき。DIYにもお勧めです。

※プラスドライバーの「刃先No.」はサイズを表します。数字が大きいほどサイズが大きくなり、より大きいビスを留めるのに適します。詳しくはベッセル「ドライバーとネジとの関係」をご覧下さい。配線器具取付などの作業では#2の長さ150mmが使い勝手がいいです。

プラスドライバー

呼称 刃先
No.
軸長
(mm)
全長
(mm)
+1x 75 #1 75 156.5
+1x100 #1 100 181.5
+1x150 #1 150 231.5
+2x100 #2 100 200
+2x150 #2 150 250
+2x200 #2 200 300
+3x150 #3 150 250

マイナスドライバー

呼称 刃先
(幅x厚さmm)
軸長
(mm)
全長
(mm)
5.5x 75 5.5x0.8 75 156.5
5.5x100 5.5x0.8 100 181.5
5.5x150 5.5x0.8 150 231.5
6x100 6x0.9 100 200
6x150 6x0.9 150 250
6x200 6x0.9 200 300

ベッセル(VESSEL)ボールグリップドライバー

ベッセル(VESSEL)ボールラチェットドライバー ラチェット機能付き