スイッチボックスは後からでも設置できる
全く何もないところに埋込スイッチボックスを設置し、コンセントやLANコンセントなどの配線器具をつける場合どのようにすればいいのでしょうか。
ここではコンセントを設置するための電源線(VVFケーブル1.6mmx2C)配線工事を例に、配線作業の手順を詳しくご紹介します。また、埋め込みボックスについて別ページで詳しくご紹介しています。
サイトテーマとは少々違いますが、通線作業という意味ではケーブルの種類が違うだけで作業的に違うところはありません。LANケーブルの配線ノウハウとしてそのまま使えると思います。
注意:コンセントの増設工事をする場合は電気工事士の資格が必要です。
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今回の工事は、階段を上りきったところにコンセントを新設します。 まず、電源を中継するコンセントのブレーカーをOFFにします。 |
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設置場所の真下にあるダウンライトを外します。 穴あけしたところからケーブルを挿入して、とりあえずこの穴までケーブルを誘導します。 ダウンライトの外し方は埋込照明器具の外し方をご覧下さい。 |
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他のコンセントとの統一性を図るために、既に設置されている別のコンセントの床からの高さを測定します。 床からコンセントの中心まで195mmありました。 |
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間柱センサーを使って間柱の位置を確認します。 ここの壁には階段の照明スイッチが設置されているので、そのスイッチの真下にコンセントを設置しようと考えました。従って横方向においてはある程度位置を出すことができます。 しかし壁の裏に筋交いがあるかもしれません。入念にチェックします。 |
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横方向の位置が決まったら、縦方向の位置を決めます。 コンセントの高さは床から195mmだったのでその位置にマークします。このマークした位置が新設するコンセントの中心になります。 |
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穴をあける四角をケガく為にボックスをあてます。このボックスはパネルボックスといって、後からボックスを設置したいときに使う物なんですが、今回は通常の埋込ボックスを使うので使いません。 ボックスの中心に小さい穴が開いているのでマークをその穴に合わせます。水準器を乗せて水平を確認します。 |
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穴あけの位置が決まりました。 ボックスの周りをケガきます。失敗したときに汚くならないように赤鉛筆を使います。 |
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ケガき終了です。 赤鉛筆で書いたのでちょっと見にくいです(拡大画像では何とか確認できると思います)。見えますか? 穴のサイズは縦95mm横50mmが基本ですがだいたいで大丈夫です。 |
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では、いよいよ穴あけ作業開始です。 ケガいた線の内側を廻し挽きノコギリなどでくりぬきます。いつもこの瞬間「ホントにやって平気なのか?」と思いますが、自分を信じてゴリゴリやります。 |
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穴あけ完了!ふぅ~ 石膏ボードのカスが飛び散りますが、最後に掃除をするので今は気にしません。と言いたいところですがやっぱり気になるので掃除機で軽く掃除します(^^) |
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開けた穴の中を覗いてみると、ちょうどVVFケーブルが通りそうな穴があるじゃないですか。 ちょっと穴を広げてケーブルを通してみます。すると結構入っていきました。いけるかな? |
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挿入したケーブルがダウンライトの穴から見えました。 手探りでケーブルをつかみ、穴の外まで引き出します。とりあえずここまではOK! |
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通したケーブルを接続するコンセントです。 ダウンライトの穴近くの壁にあるので、このコンセントに接続するのが適当でしょう。 |
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コンセントを外します。 このコンセントに設置されている埋込ボックスは松下電工のらくワークという部材で、ボックスの底部分がなく枠のみです。通線作業がしやすいボックスです。 |
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ダウンライト穴まで来たケーブルを穴の中に戻して、コンセントまで通線します。 VVFケーブルは導体が単線(より線ではなく1本の線)なのでまあまあ腰があります。通線用スチールを使わなくても目的の場所まで通線できます。 |
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無事にコンセントまでケーブルを配線することができました。 ここまで来れば、後はケーブルを接続するだけなのでほとんど作業は終わったに等しいです。 |
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結線作業をします。 まず、新設するコンセントから。ケーブル被覆をむいて芯線を出します。 |
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埋込ボックスを挿入します。 その際はケーブルをボックスの穴に通してから入れましょう。 |
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ボックスを壁の内側にピッタリつけて木ネジで固定します。 コンセントを固定するネジ穴が見えるように上下の位置に注意して固定します。 |
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取り付けるコンセントは、パナソニックコスモシリーズワイド21埋込熱線センサ付ナイトライト(型番:WTP4050WP)です。 近所のホームセンターで\4,232でした。 ※上記商品は生産完了品です。後継品は「かってにナイトライト(型番:WTP4065WP)」です。 |
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コンセントを接続します。 速結端子なのでケーブルを差し込むだけで接続できます。導体が露出していないか、引っ張っても抜けないか確認します。 |
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コンセントを取り付けます。 埋込ボックス付属のビスで固定しますが、その際水準器をあてて水平を確認し、確実に固定します。 |
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フェイスプレートを取り付けて完了です。 フェイスプレートをつけるとキレイに仕上がります。一番気持ちのいい瞬間です(^^) 中継する側のコンセントも同様に結線します。 |
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作業前にOFFにしたブレーカーをONにしてテスターで通電を確認します。 正常にAC100Vが来ています。 |
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無事、作業終了しました。 ナイトライトが動作しているところです。これからは夜に階段を下りるときに役立ってくれることでしょう。 |
いかがでしたでしょうか。こうして見てみると簡単に見えますがいくつか注意する点があります。
配線器具を新設するために穴あけする際、間柱ピッタリに穴をあけてしまうと、埋込ボックスの枠の部分が穴にはみ出してしまってコンセントを取り付けることができなくなります。
私は以前、間柱の側面ピッタリに穴あけしてしまって大失敗しました。そのときは配線器具が収まるように穴の反対側を広げたので結果的に穴が大きくなってしまい、プレートを取り付けたときにギリギリ穴が隠れる、というスレスレの工事になってしまいました。
あとコンセントを増設する作業の場合ですが、結線作業をするときは新設する側から結線します。
電源を供給する側から結線すると、もし回路ブレーカーをOFFにし忘れていると結線した瞬間電圧が掛かりますので非常に危険です。すべての結線作業が終わってから電源供給部を結線するようにすれば、もしもの時の事故を防ぐことができます。
配線工事のコツとしては、まず現状の壁や床、天井がどういう状態で構成されているかを理解し、見えない部分はどんな風にパネルが張ってあるのか、柱や梁の位置はどこかなどを想像して頭に入れます。
配線するイメージをつかんでから作業するのが非常に大事です。丹念に調査してから作業すればきっとうまくいきます。
やればできます。ぜひ埋込配線工事にチャレンジしてみてください。
このページで出てくるVVFケーブル(1.6mmx2C)は主に屋内配線工事に使用される資材です。
1.6mmというのは電線断面の直径、2Cは2芯という意味です。1.6mmの他に2.0mm、2.6mm、また2Cの他に3C、4Cがあります。一般家屋に関しては照明・コンセント配線は1.6mm、200V仕様の電磁調理器や炊飯器、エアコン等電力量が多い配線には2.0mmや2.6mmが使われます。
パナソニック
コスモシリーズワイド21「かってにナイトライト」
ページ内で取付をした配線器具は、パナソニックコスモシリーズワイド21「かってにナイトライト」(型番:WTP4065WP)」です。廊下や階段などにコンセントが設置されていれば器具交換だけで設置することができます。
明るさセンサ内蔵により明るい時はナイトライト機能はOFF、暗い時は熱線センサによって人が近づいた時だけONになります。犬や猫でも多分機能します。ライトは電球色LEDで電球の交換は不要。コンセントが併設されていますので掃除機などの使用にも問題ありません。
とても便利で快適な配線器具です。管理人オススメ!