これから新たにLANケーブルを配線しようと考えた場合、カテゴリー5e(100Base-TX)かカテゴリー6(1000Base-T)のどちらを配線するべきか悩むところだと思います。はたしてどちらのケーブルを使うべきなのでしょうか。私の独断と偏見になってしまいますがネットワーク機器も含めて検証したいと思います。
LANケーブルのカテゴリーにおけるメリット、デメリット
このページを書いている現在(2006/01)、LANケーブルの主流はカテゴリー5eとカテゴリー6に分けられます。それぞれの長所、短所を確認すると以下のようになると思われます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
カテゴリー5e (周波数特性100MHz) |
現在のスタンダードであるため機器やケーブル自体の値段がカテゴリー6と比較すると安い 単線仕様のケーブルでも比較的曲げやすいため、配線時ケーブルの取り回しがラク(曲げすぎると通信性能が落ちる) 自作加工は比較的容易にできる |
通信スピードが遅い(100Mbps) この先カテゴリー6が主流になるのではないかという不安感 |
カテゴリー6 (周波数特性250MHz) |
通信スピードが速い(1Gbps) カテゴリー5eの上位互換ケーブルなので将来性がある |
ギガビットに対応するケーブルやネットワーク機器の値段がやや高め ケーブル内にセパレータ(十字介在)が入っているためケーブルが硬く、取り回ししにくい 自作加工をする場合、端末処理の精度が要求される |
それぞれの長所・短所はまさに相反するものですね。しかし、LANケーブル本来の通信性能だけを見るとカテゴリー6が優れているのは明らかです。なぜどちらにするか悩むのでしょうか。
カテゴリー6を配線する際の懸念は?
- RJ-45コネクタを取り付けるなど端末処理が正しくできるのか?
- カテゴリー6ケーブルは通信スピードが速いためノイズに対して弱くなっています。従ってノイズの影響を最小限にするために端末処理はそれなりに精度が要求されます。が、カテゴリー5eの場合でもそうだったように、何回か作成してみて経験を積めばそれほど難しいものではないように思います。と言っても自分まだやったことがないのであくまで予想ですが・・・
- そもそも家庭内LANでギガビットネットワークが必要なのか?
- この点についてはすぐに結論は出ないと思いますが、家庭内でLANが使われるケースを考えると、インターネット接続とファイル/プリンタ共有が主です。NASサーバでもあるならば別ですが一般的にそれほど大きなデータのやり取りはあまりないように思います。ましてインターネット接続は最高速でも100Mbps。ネット環境にもよるかと思いますが「必要」と言えるでしょうか。
ギガビット対応製品の価格は?
ギガビット対応製品の価格について調べてみたいと思います。いくらいいものでもコストが掛かるようでは導入しづらいですから費用対効果の面から検証したいと思います。(記載金額は定価またはダイレクトショップ価格、税込みです。それぞれダイレクトショップおよびYahoo!ショッピングへリンクしています。実売価格の参考にして下さい。)
ギガビット対応LANカード
ネットワークカード、NIC(Network Interface Card)などとも呼ばれますが、PCにLANケーブルを接続するための機器です。大きく分けてPCI、PCカード、USBの接続方法があります。
ただ最近のPC(ノートも含めて)には最初からLANポートがついていてギガ対応のものがほとんどですので、増設する必要がないのが現状です。古いPCに対しての情報ということになりますので必要でなければ読み飛ばしてください。
メーカー | PCI-E | PCI | PCカード | USB |
---|---|---|---|---|
コレガ | CG-LAPCIEGTR | CG-LAPCIGTR | CG-LACBGTR | CG-LAUSB2GTR |
プラネックス | GPE-1000T | GN-1200TW2 | なし | GU-1000T |
アイオーデータ | なし | ETG3-PCI | ETG-CB | ETG3-US2 |
バッファロー | なし | LGY-PCI-GT | LPC-CB-CLGT | LUA3-U2-AGT |
※ギガビットには1000Base-Tと1000Base-TXの規格がありますが、上記の製品はすべて1000Base-Tのみの対応です。1000Base-Tと1000Base-TXの違いはサンワサプライのLANprofessionalのページに詳しい記述があります。
ギガビット対応スイッチングHUB
次は家庭内LANで使用されると思われるコンパクトなスイッチングHUBについてです。HUB(ハブ)のページに詳しく記述していますのでそちらをご覧下さい。
以前に比べればギガビットネットワーク機器はかなり安くなってきたということもあり、LANカードについては100Base-TX製品とそれほど差はなくなってきています。しかしHUBは100Base-TX機器と比較するとまだ若干高い傾向です。何かトラブルが発生して故障したなど、きっかけがないとギガビット機器を購入しようとはなかなか思えないのではないでしょうか。
結論:現時点では家庭内LANではカテゴリー5eで十分
いきなり結論を書いてしまいましたが、機器導入のコストの面や必要性の面から現時点での私の結論は「家庭内LANにおいてギガビットネットワークは必要ない」ということになります。「現時点では」です。しかし全く否定はしません、できません。
- これからネットワークを構築するのであれば
- 大きなデータのやり取りがあって速さを求めるなら
- 現在使っている家庭内LANのスピードに満足できなくなったら
カテゴリー6およびギガビットネットワークを導入するのもよろしいかと思います。これは使っている環境やユーザーによっていろいろでしょうから「こうなんだ」という結論をまとめることはできません。「じゃあ何なんだよこのページは」って言う声が聞こえてきそうですが、もう少し時間が経過すればまた変わってくることでしょう。
でも、いずれギガビットが主流になっていくであろうことはハッキリ言えます。来るべき日のために知識だけでも蓄えておくように努力したいです。
カテゴリー6でもいいかなと思うケース
- 家を新築またはリフォームするといった場合
- 全く新たにLANケーブルを配線することになりますので将来性を考慮してカテゴリー6ケーブルを配線するのも良いと思います。その際は当然LANコンセント等もカテゴリー6対応製品にすることをお忘れなく。
- そこそこ大きなデータをLAN経由でやり取りする場合
- 大きなデータというのは500Mバイトぐらいからでしょうか。このぐらい大きなものを移動なりコピーなりする時はギガビットの本領が発揮されるでしょう。因みに、DVカメラで撮った動画(60分)をDVキャプチャすると13Gバイトぐらいのファイルになりますが、これをLAN経由(100Mbps)でコピーすると約20分ぐらいかかります。ギガビットだとどのくらい短縮されるんでしょうかねえ、単純に1/10になるんでしょうか、1/10だと2分?!いやHDDの処理速度が間に合わないのでせいぜい1/2ぐらいでしょうね。
以上の2点ぐらいになりますかね。結局、ケーブルをどちらにするかは使う方が決めることになりますから参考程度にしておいて下さい。(逃)
ブロードバンドでのインターネット接続をされている方であれば、少なからずLANのお世話になっています。最低LANケーブル1本とLANカード(最近のPCには当然のようにLANコネクタが付いているので持ってない方もいるかな?)はお持ちでしょうけど、どれもが10/100Mbpsの100Base-TX対応製品だと思います。
ギガビットネットワークを導入するにしても既存の100Base-TX製品をすべてギガビット対応製品にするのはコスト的に難しいですから、新たにネットワーク製品を購入する際はギガビット対応製品にするようにして徐々に更新していけばいいでしょう。今の製品はオートネゴシエーション機能がありますから100/1000混在でも通信には問題ありません。
なんだかよくわからないページになってしまいましたが、ギガビットネットワークを家庭内で使うというのは私からすると「趣味」の領域に感じます。「必要ないんだけどやってみたい」という興味の世界と言うんでしょうか、PCを自作する方たちの「究極を追い求める姿勢」に近いものがあるように思います。
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カテゴリー6ケーブルを配線するなら、サンワサプライのLANケーブルがオススメ
サンワサプライのカテゴリー6ケーブルは内部導体の”ヨリ”を強くすることで耐ノイズ性が高められています。併せてアルタネート方式のRJ-45又はカテゴリー6に完全対応(1000Base-TX)したRJ-45プラグを使うことによりさらにノイズに強いLANケーブルを作ることができます。参考にしてみて下さい。