PCが増えてきたらHUBで分岐させる
HUBは複数のパソコンを物理的に(実際にLANケーブルをつないで)ネットワークに接続するための集線装置です。
インターネット回線は一般家庭では普通1回線なので、同時に接続できるパソコンは1台ということになりますが、HUBとルータを使えば2台以上で同時にインターネットが接続できるようになります。
HUBは物理的に接続するもの、ルータは論理的に(ソフトウエアを使って)接続するもの、とお考えください。ルータにHUB機能が内蔵されているものもあります。
家庭内LANを構築する理由のひとつとして「ネットワーク共有」があると思いますが、共有するためには最低でもパソコンが2台必要になりますのでHUBが必要になります。(クロスケーブルでパソコン同士を直接つなぐ場合HUBは必要ありませんが、現実的に仮設の場合を除いてほとんどしません。)
さて、インターネットをブロードバンド接続する環境ではLANケーブルを使って接続しますから、現在ではかなりネットワーク機器が普及しています。新しいパソコンには必ずLANポートがついているので容易に想像できるかと思います。
HUBについても同様で、以前は高価だったスイッチングHUB等も安価で販売されています。最近はギガビット(1GB=1000MB)スイッチなどもありますね。ここでは、HUBといってもいろいろな機能がありますのでその機能を解説するとともに、HUB製品についてご紹介します。
ポート数 メニューへ戻る
ポートというのはLANケーブルを接続する口のことで、何本ケーブルが接続できるかという数です。家庭内LANでは5ポートおよび8ポートモデルを使うケースが多いですが、自分の環境に合わせて選んでください。上の画像は8ポートのHUBになります。
管理人の経験で申し上げますと8ポートHUBをお勧めします。大は小を兼ねるではないですが、徐々にLANケーブルが挿せる機器(特に家電)は増える傾向にあります。買うのであればそれを見越して余裕のある8ポートがいいです。価格もそれほど違いはないのでお勧めです。
スイッチング機能 メニューへ戻る
スイッチ機能のないHUBは送る必要のあるポート以外のすべてのポートにもデータを送るので、関係のないポートにまでデータが送られてしまいネットワーク上のトラフィック(データ転送量)が増えて混雑を引き起こしてしまいます。これは通信速度を下げる原因にもなります。
スイッチング機能は送られてきたデータをどのポートに送ればいいのかHUBが自動的に認識し、そのポートのみに送る機能で、無駄なトラフィックを抑えることができます。よってスムーズな通信が可能になります。現在ではHUBと言えばスイッチングHUBと言える標準的な機能です。
オートネゴシエーション メニューへ戻る
現在のLANは100BASE-TXからギガビットである1000BASE-Tに移りつつあるところですが、それより前は10BASE-Tでした。数字の違いは転送速度の違いです。
そして、LANケーブルをつないだ両端の通信スピードが違う時に、接続先の機器に転送スピードを合わせる機能がオートネゴシエーションです。これがあれば、接続先が1000BASE-Tか100BASE-TXか、あるいは10BASE-Tかを気にせずに接続することができます。
AUTO-MDI/MDI-X メニューへ戻る
LANケーブル内には8本の導線があるのですが、そのうちの4本は上り方向、残りの4本は下り方向というようにデータの流れる方向が決まっています。LANケーブルを接続するHUBのポートにも同じようにデータを送る端子と受ける端子が用意されています。
HUBとPCをつなぐ場合はストレートケーブルを使用することで送信端子と受信端子が接続され通信できるようになりますが、例えばHUBとHUBをつなぐ場合、そのままストレートケーブルを使用すると送信端子同士、受信端子同士が接続されてしまい通信することができません。そこで以前はHUB同士を接続する場合カスケードポートという送信・受信端子が逆に配置されたポートにストレートケーブルを接続するか、通常ポート同士をクロスケーブルで接続する必要がありました。
AUTO-MDI/MDI-X機能は、この送信・受信端子を自動で入れ替える機能です。接続先がHUBなのかPCなのかをHUBが自動判別するので、何も気にせずストレートケーブルで接続できるようになります。この機能の登場によってHUBにそれまであったカスケードポートは必要なくなりました。現在販売されているものにはほぼ全てに搭載されている標準機能です。
JumboFrame メニューへ戻る
ギガビット対応HUBのみの機能で、従来の送受信パケットサイズ1.5KBを9~16KBに拡張するもの。パケットサイズを大きくすることで広い帯域幅を有効に利用できるので、より高速に通信することができます。(パケットとは通信データを一つにまとめた小包のようなもので、通常その小包を何個か送信することでひとつの通信を完了します。パケットサイズはその小包の大きさ、一度に送れるデータ量を表します)
プラスチック筐体/メタル筐体 メニューへ戻る
これはHUB自体の素材が何でできているかということです。通信量が増えてHUBの動作が多くなってくると熱が発生するのですが、メタル筐体は熱を効率よく外に逃がすことができます。
これはHUBの設置するポジションによって使い分けるといいと思います。自宅にサーバーがある、という場合はサーバーをつないでいるHUBに対してトラフィックが多くなりますから熱がこもりにくいものを選ぶべきですね。反対にネットワークの末端部分ではトラフィックが少ないのでプラスチック製でも十分でしょう。
電源内蔵型/ACアダプタ型 メニューへ戻る
電源内蔵型は電源プラグが小さくなるので、コンセントやタップにスペースが限られる場合メリットがあります。しかし電源部が本体に内蔵されているので熱がこもりやすくなります。
ACアダプタ型は電源部が本体内にないので小型化、軽量化が可能。熱が本体内にこもる心配も少ないです。最近のACアダプタはそれ自体かなり小型化が進んでいるのでコンセント周りのスペースをそれほど心配することもなくなってきています。
天井裏等にHUBを設置する場合は熱対策を考慮する必要があるのでACアダプタのタイプが、PC周りに設置するのであれば電源プラグの小さい電源内蔵型がオススメです。
冷却用ファンの有無 メニューへ戻る
HUB本体に冷却用ファンがあるかどうかということですが、ファンの動作音はかなり気になります。パソコンのそばに設置する場合はファンレスのHUBを選ぶのが賢明です。今は5~8ポート程度のHUBにはほとんどファンはついていません。
以上、いろいろ書きましたが上記の機能について理解し製品選びをすると良いと思います。
現在は家庭内LANでもNAS(ネットワークに直接接続できるハードディスク)などを接続し、画像や動画などをファイル共有して楽しんでいる方も多いので、ネットワークのスピードは速いに越したことはありません。大容量ファイルをネットワーク経由でアクセスするためにギガビットに移行するのは自然の流れです。今はだいぶ価格が安くなってきて導入しやすくなりましたので、既存のHUBをギガビットHUBに交換してギガビットLANを体験してください。
以下でご紹介する製品は
- スイッチング機能
- オートネゴシエーション
- AUTO-MDI/MDI-X
- ACアダプター、プラスチック筐体
- ファンレス
の機能・特徴・仕様になります。基本機能はしっかり押さえつつも、なんと言ってもコストパフォーマンスの高さが評価できます。電源はACアダプタですがコンパクトな設計なのでタップに挿してもそれほど邪魔にならないのも嬉しい。ファンレスなので静か、底面マグネットでスチール面に簡単に設置が可能です。ホワイト・ブラックのボディーカラーラインナップでお部屋のインテリアにマッチさせることができます。