埋込スイッチボックスが設置できない時に
はさみ金具とは、埋め込みボックスやパネルボックスを設置しないで、配線器具(具体的には取付枠)を壁に固定するための補助金具のことです。
このサイトではあとからでも埋め込みボックスを使って配線器具を固定する方法をご紹介していますが、そんな面倒な事はしたくない、配線器具だけ固定できればいいということでしたらこのはさみ金具を使う方が簡単です。
取付枠とこのはさみ金具を使って壁をはさみ込んで配線器具を固定する方法をご紹介します。
拡大表示 |
パナソニック「石膏ボード用はさみ金具」WN3993です。 石膏ボード用ということですがコンパネ(ベニヤ板の厚いもの)などが下地に入っている壁にも十分使えます。壁の厚さによって
がラインナップされています。2個一組、取付ビス2本入りでの販売です。 |
---|---|
拡大表示 拡大表示 |
はさみ金具の「ツノ」のように出っ張った部分を取付枠に引っ掛けるように入れます。 取付枠にはさみ金具を取り付ける穴が開いているのでここはわかりやすいです。 |
拡大表示 |
取付後の横からの様子です。 取付枠とはさみ金具の間に壁が来て、ビスを締めて壁をはさみ込むようにして固定するのです。 |
拡大表示 |
実際に配線器具を壁に固定してみましょう。 はさみ金具を取付枠に差し込みます。使用した配線器具は埋め込みダブルコンセント(WTF1502WK)です。 |
拡大表示 |
はさみ金具に付属のビスで取付枠を仮止めします。 ビスをねじ込むと取付枠は外れなくなりますのでこの段階ではビスを軽くねじ込めばOK。上下共に仮止めします。 |
拡大表示 |
配線器具をボックス穴に入れます。 下から上の順で壁をはさみます。「この壁ダンボールじゃねーの?」と思うかもしれませんが気にしないこと(笑) |
拡大表示 |
配線器具の位置に注意しながらビスを締めて配線器具を固定します。 このボックス穴は少し大きいですね、取付枠ギリギリ・・・それでも問題なく固定できました。 |
拡大表示 |
取付後の壁裏の様子です。 ダンボールの壁なのでビスがかなり余っていますが、このビスの長さ分までの厚みの壁まで使えることになります。(あまりギリギリだと厳しい) |
拡大表示 |
プレートを取り付けて完成です。 仕上がってしまえば埋め込みボックスを使おうがはさみ金具で固定しようが全くわかりません。ただ、ボックスがありませんからここから部屋の中に隙間風が入りやすくなるということはあります。まあボックスを使っても入りますけど・・・ |
拡大表示 |
こちらはパナソニック「石膏ボード用C型はさみ金具」WN3992Kです。(固定用ビス2本付き) 12mm以下の壁厚に使用できます。用途は前述のはさみ金具と何ら変わらないのですが、使い方は少し違いますのでご紹介します。 |
拡大表示 |
まずは配線器具に付属のビスで仮止めします。 はさみ金具に「表」と書いてあるほうを配線器具側(壁にはさんだ時に壁に接する側)にします。上側の1個だけを仮止めして配線器具から取れないようにします。 ここでは配線器具にケーブルが接続されていませんからやりやすいですが、実際はケーブルを接続した後での作業になるので多少やりづらいです。というかめんどくさいです。 |
拡大表示 |
はさみ金具から先にボックス穴へ入れます。 |
拡大表示 |
配線器具をボックス穴の右側いっぱいまでずらし、はさみ金具の下側のネジ穴を取付枠の穴に合わせます。 下側にビスを入れて仮止めし、配線器具の位置を調節して本締めします。これで配線器具を壁に固定することができます。 |
拡大表示 |
取付後の壁裏の様子です。 長いビスを使用すれば厚めの壁にも使えますし、逆に薄い壁にも使用できます。多少施工に手間が掛かりますがはさみ金具の中ではスマートな製品だと思います。 |
拡大表示 |
2連以上ではさみ金具を使いたい時は2連、3連用の「石膏ボード用取付押え金具」を使用します。このタイプの金具を使用する上での注意点は、壁の裏側に筋交いなどの構造物が無くフラットになっている必要があることです。 画像は石膏ボード用取付押え金具(WN3997)です。3連用は(WN3998)です。使用方法は以下の通り。(パナソニック電設資材カタログより抜粋) |
はさみ金具を使えば簡単に配線器具が壁に固定できますので配線工事の参考にしてみて下さい。
パナソニック製石膏ボード用はさみ金具
3~10mm壁用
7~18mm壁用
38~42mm壁用
58~62mm壁用
C型はさみ金具
1連用
2連用
3連用
という風に書きましたが、実は私はこのはさみ金具があまり好きじゃないんです。施工は簡単なんですけどなんか「とって付けた」「もろに後付け風」なのが気に入らないんですよね。また、はさみ金具を使って取り付けた配線器具を外す時、ビスをまわし過ぎるとはさみ金具が壁の中に落下して取れなくなってしまうのでとても気を使うんです。外気が入りやすいというのも気に入らない。ということで埋め込みボックスを使うようにしているのです。
あとからCD管を埋め込み配管するのはかなりマニアックなので(実践しているのは私とRadio-GXKさんぐらい?)、そうそう当てはまるケースはないと思いますが、CD管を配管する場合は埋め込みボックスが必須なのではさみ金具を使用することはないでしょう。紹介しておいてこんなこと言うのはなんなんですが埋め込み配線マニアを目指すならはさみ金具を使ってはいけません(笑)